ひがしっぽ動物病院

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コラム

フィラリア症

子犬

フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で、わんちゃんの心臓に寄生します。
咳、疲れやすい、血尿、黄疸などの症状がでるほか、重症化すると腹水がたまったり、突然死がおこったりします。

なので、最もポピュラーな方法として、月1回薬を飲んで、予防するということをします。

今回はこの、「月1回薬を飲んで予防」の部分を、フィラリアの一生という角度から解説します。

余談ですが、フィラリアは、日本語では犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)と呼ばれ、今話題のアニサキスと同じ線虫という分類になります。
ちなみに、この線虫類、その種数は1億ともいわれ、昆虫類をはるかにしのぎ、地球上の生物種の大半を占めるそうです。

フィラリアの一生

  • 蚊の体内にいるフィラリアの幼虫は、蚊が犬の血を吸うときに、蚊から離れ、犬の体に降ります。そして蚊が刺した傷口などから皮下脂肪、筋肉と侵入していきます。
  • 脱皮をし成長しながら2-3ヶ月で静脈に侵入し、心臓に到達します。
  • ①から6-7ヶ月ほどで、心臓(右心室)に住み着きます。このぐらいで成虫になり交尾をし、赤ちゃん(ミクロフィラリア)が生まれます。
  • 蚊が犬の血を吸うときに、蚊の体内に移行。脱皮をし、幼虫になります。

これがフィラリアの一生です。これをワンちゃんのフィラリア予防とつなげます。

いつ薬を飲むのか?

フィラリアのお薬は幼虫にしか効きません。正確には血管に入られてしまうとききません。①の時期だけです。つまり、お薬は「蚊に刺されて体に入ってきた幼虫が血管に入るまでに殺す」ということです。(「予防薬」と呼ぶことが多いですが、立派な「殺虫薬」ですね。)なので、薬は毎月になります。2か月たつと、もしかしたら、速いヤツがいると血管に入っているかもしれないので。

いつからいつまで飲むのか?

蚊を見かけた1か月後から蚊がいなくなった1か月後までです。
①が起こっているかもしれない間は薬を飲むということですね。蚊の吸血時期については1月からの毎日の最高気温などから推測されています。千葉では5-12月が投薬期間と言われます。

フィラリアの検査ってなに?なぜするの?

検査キットで成虫の成分を調べています。もしくは顕微鏡でミクロフィラリアを調べています。つまり、③の状態にないか?の検査です。お薬は血管に入る前の幼虫に効く。と言いましたが、ミクロフィラリアには効いてしまうことがあります。お薬で血管内のミクロフィラリアが死ぬと、その死骸や死骸からの成分で、ワンちゃんにショック症状が現れたりするので、毎年きちっと予防していても、検査が推奨されています。

「先月薬を飲み忘れました!」とか「昨日蚊に刺されたけど大丈夫?」とか

1ヶ月を1日でも過ぎたら薬が効かなくなるわけではありません。シーズン中は薬を飲み続けるのが重要です。数日遅れたとしても、毎月きちっと飲んでいってください。幼虫が①の時期なら効きます。予防ができたかどうかは翌年や③にあたる時期に検査してみましょう。

病院にはイラスト入りのわかりやすいパンフレットがあります。お気軽にお越しください。
パンフレットだけの御用でもかまいません。
かかってしまうと、成虫の駆除は非常に厄介です。術中死のリスクもありますし、内科駆除後も後遺症が出ることが多いです。

ネコちゃんもフィラリアに感染します。同じように予防できます。
食べるタイプのお薬よりも、背中に液体を付けるタイプ(スポットタイプ)をよく使います。
感染していたネコちゃんたちの40%は室内飼育だったというデータもあります。
確かに、僕たちも家の中でも蚊にさされますもんね。

ぜひ月1回の予防を忘れずに!