ひがしっぽ動物病院

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コラム

猫下部尿路疾患(FLUTD)

新年あけましておめでとうございます。

2018年は戌年ですが、今年1回目のコラムはネコちゃんのおしっこトラブルです。現場では割と「冬の病気」として認識されています。
気温低下で飲水量が低下したり暖房器具使用で水分蒸散が増えたりで尿量が減る(濃い尿が長く膀胱にとどまる)ことが原因と言われたりしています。♪ネコはこたつで丸くなる~~ ナルホド。
水飲んでる?おしっこしてる??

ネコちゃんのおしっこにまつわる来院理由は様々です。
よくあるものは、、、

  • 頻回尿(何度もトイレに行く)
  • 血尿(尿がピンク~赤、血がまじっている) 
  • 排尿困難(おしっこの格好はしているけどおしっこがでてない!?)
  • 尿路閉塞(おしっこづまり)(尿が出せなくてぐったりしている)
  • 問題行動(トイレ以外の場所で排尿、スプレー)
  • 排尿痛(おしっこの時に鳴く)

このような症状を下部尿路兆候といいます。
下部尿路兆候を起こす病気を総称して猫下部尿路疾患FLUTD:Feline Lower Urinary Tract Disease)といいます。

市販のフードにも「下部尿路の健康維持に」とか「下部尿路疾患に配慮」とかの言葉がよく書かれていると思います。(※1)

FLUTDの原因疾患は様々です。膀胱炎や膀胱結石がよく知られた病気かと思います。「尿閉」と呼ばれる尿路閉塞は救急疾患です。それぞれについて簡単に書きます。

膀胱炎

症状 膀胱に炎症が起こっていて、残尿感から何度もトイレにいきます。
尿がたまっていなくてもトイレに行くので、少量ずつしかでません。(※2)
尿が濁ったり、血尿になったりすることもあります。
原因 膀胱結石によるものや細菌感染によるものがあります。
若齢では特発性膀胱炎(FIC)と呼ばれる特定の原因がわかっていない膀胱炎が多いです(※3)
治療 レントゲン等で結石が見つかれば手術を検討します。尿検査で細菌が検出されれば抗生物質を投与します。トイレ管理やストレス管理も重要です。再発も多いです。

膀胱結石

症状 膀胱炎と同じ。血尿はより一般的です。尿に結晶(結石の成分)が出ると、尿がキラキラと光ったように見えることもあります。
原因 ミネラル分の多い食餌やおやつは結石ができる原因と考えられていますが、不明な点も多いです。細菌性膀胱炎との併発も多いです。
治療 膀胱炎と同じ。尿検査で尿pH(酸かアルカリか)を測定したうえで処方食を検討します。(※4)

尿路閉塞

症状 膀胱に尿がたまるとトイレに行きますが、結石や炎症産物が尿道に詰まってしまって尿が出せません。何度もトイレに行きますが、尿が少しずつしか出ないか全くでない状態です。(※5)
トイレに居座ることも多いです。血中の尿毒素量が上がってくると、食欲不振、元気消失などを示し(尿毒症)、放置すると死亡することもあります。雄猫に圧倒的に多いです。
原因 膀胱結石や膀胱炎症産物、膀胱の腫瘍などによる尿路の閉塞
治療 ペニスの先から細いカテーテルを入れて開通処置をします。その後カテーテルは留置し、静脈点滴もしながら入院管理をすることが多いです。
カテーテルを抜いても自然に排尿できるようになれば退院します。
結石や膀胱炎への原因治療が必要です。再発も多いです。
  • (※1)何がどう下部尿路用なのかはメーカー次第、、、
  • (※1)(※4)多くの製品がある「下部尿路疾患用」の市販フードや処方食。
     何を基準に選びますか?名前??値段??
  • (※2)(※5)何度もトイレに行っているネコ
     →膀胱炎で様子見?放置すると命に関わる尿閉?
  • (※3)FLUTDの原因の60%はFICと言われたりもします。当院ではFIC用の説明プリントも御用意しております。

原因も症状もその経過も、様々であることが伝われば幸いです。

腎臓、尿管、膀胱、尿道、泌尿器、下部尿路、結石、血尿、、、言葉や症状だけでフードを選んだり様子をみたりせず、ぜひ御来院ください。