歯周病③~歯みがき・ホームケア~
11月8日は「いい歯の日」です。
2019年は院内で歯周病予防について飼い主様向けセミナーを開催しました。その「ホームケア」の部分をコラムで公開します。
歯周病のホームケア
左から右に歯周病が進行していく様子をあらわしています。
ホームケアは、「歯周病が進行しないように」行うものなので、歯の状態としては
図の左側、正常~歯肉炎の時にやっていくことになります。
ホームケア~歯みがき①~
ホームケアとして最も重要で効果的なのは、歯ブラシを使った歯みがきです。
ホームケア~歯みがき②~
色んな所で、こういう説明を目にします。ところが、これってけっこう難しいです。どうしてなのか。
歯について・・・
その理由のひとつが、歯みがきをはじめるタイミングだと思っています。
図の右端に、上から下に歯周病の進行をあらわしています。
歯みがきは、初期のケアですから、一番上のときにやっていくんでしたね。
現実的には、中くらいより後で、始められていることが多いと感じます。
これだと、患部には痛みがあったりするので、触られることやブラシをあてられることに嫌悪を示して、歯みがきのリタイアにつながるんじゃないかと思っています。
ホームケア~歯みがき③~
ですので、ぜひ歯みがきは、全然歯周病が気にならない時からやってみてください。
図の赤点線丸の部分が歯周病になりやすい部分です。
内側は難しいのでまずは外側。ですので、口は開けなくていいです。唇をめくって、歯ブラシを当てて、歯周ポケットに毛先を入れるイメージです。
歯みがきジェルなどには味や風味がついているものも多いので、そういうものを使って、遊びのように、楽しみながらやっていくといいかもしれません。
歯をみがくことだけに一生懸命にならず、歯肉を観察しながら、嫌がる場所が無いか観察しながら、毎日、ちょっとずつでもいいのでやってみましょう。
そうは言うものの、やっぱり大変です。でも考えてみてください。人間の子供だっ てそうですよね?歌でごまかしたり、時には押さえつけたりしながら(;^_^A、やってきませんでしたか?人間は虫歯が多く、犬猫ではそうではないという違いはありますが、そうまでしてやるのは、やっぱり予防が大事だからだと思います。根気強く継続しましょう。
ホームケア用品について①
巷には、歯ブラシ以外のデンタルケアグッズがたくさんあります。
「酵素成分で歯垢を分解」とか「歯石の形成を抑える成分配合」とかがコンセプトになっていると思います。どれを使えばいいのか?
ホームケア用品について②
ひとつの目安になるのはVOHCマークです。参考にしてみてください。
ちなみに、日本にはこういう機関がありません。ただ、大事なことは「歯ブラシに代わるデンタルケア用品は無い」ということです。
ホームケアで歯周ポケットのケアができるのは歯ブラシだけです。
ホームケア用品について③
僕個人の考えです。歯ブラシはもちろん、ジェルやガムもあります。
市販品も動物病院専用品もあります。当院ではこの歯ブラシを使っています。ヘッドが小さくて使いやすいです。もう少し柄が長ければいいなと思うことがあります(;^_^A
間違ったホームケア
御注意ください。
そして定期的に動物病院でのチェックをさせてください。
詳しくはこちらの下記をご覧ください。