2025年6月の歯と口の健康週間にあわせてインスタグラムに投稿したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、コラム版の加筆です。
巷には「無麻酔歯石取り」というのがあります。
ペットショップなどで、獣医師ではない人が、わんちゃんの口を開けて、歯石を取るというやつです。
わんちゃんが動かないよう事前に練習するのか、スケーラーを口にいれる際の安全がどこまで確保されているのか、、、僕は施術は実際に見たことがありません。ただ、施術を定期的に受けていた飼い主さんからお話を聞き、そのわんちゃんを診察をしたことはあります。残念ながら歯周病のケアという点で考えても、その効果は極めて小さく、おすすめはできません。

この施術をする人がどんな効果をねらって歯石取りをやっているかはわかりません。
「これでOK」って思っているかもしれないし、「もっとできたらいいなぁ」って思っているかもしれない。

いずれにしても、上のスライドで見てもらった「スケーリング・ポリッシング」と、
この「無麻酔歯石取り」は、ケアの内容が全くちがいます。

なので、これまで飼い主さんから「無麻酔歯石取り」について聞かれた場合は、スケーリング・ポリッシングの御説明をしたあとに、「無麻酔歯石取りを受ける場合もよく話をきいて、決めてくださいね。」とお伝えしていました。もちろん、おすすめはできないことを言い添えていました。

ただ、2024年に獣医療を管轄する農林水産省が正式にコメントを出したので、対応は変わりました。
農林水産省HPより抜粋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯石を取るのは、診療行為で獣医師のみが可能ということです。
獣医師法で定められた診療行為を獣医師以外の人がやっていると、違法ってことなので、
施術をうけることは、すすめられません。

効果と法的規制の２点で、決しておすすめできないということです。

で、最後に。無麻酔か有麻酔かは、そのわんちゃんに必要な処置に麻酔がいるか否かという問題です。
無麻酔だとこれができる、有麻酔だとこれができる、という説明を獣医師から受けて、御家族で相談して、
決定してあげてください。他の手術と全く同じです。

蛇足
◆「獣医は有麻酔歯石取りをしているだけ」と歯科医師さんや歯科衛生士さんに指摘されないように精進します！

◆「スケーラーじゃなくて歯石取りペンチか歯石取り鉗子での歯石除去は禁止されてませーん」みたいなの謎人の話術・施術がはびこらない業界になるように精進します！