歯周病② ~予防歯科~
先日、当院で飼い主様向けの歯科セミナーを行いました。
セミナーの内容は印刷したものを待合室に置いてありますので、いつでもご覧いただけます。
今回は、要点だけをまとめました。
歯周病を予防しましょう!!
ひがしっぽ動物病院では歯周病の予防に力を入れています!
1才までに歯みがき習慣
永久歯へと生え変わる6か月齢くらいから歯みがきをしていきましょう。
口を触る練習や、デンタルジェルの好きな味を見つけておくのは、もっと早い時期からでもいいですね。
歯みがきは口を開ける必要はありません。唇をめくって、犬歯(牙)や奥歯などの大きい歯からやりましょう。歯と歯肉の境目に毛先を入れるようなイメージをもってやってみてください。
嫌がるようなら少しずつ。今日は右、明日は左というような感じでもかまいません。
中高齢までに1度は麻酔下での処置
シニア期になると、いろいろな病気がでてきたりします。麻酔リスクが上がってしまうこともあります。ぜひ、健康なうちに、麻酔下で口腔内の検査とスケーリング・ポリッシングを受けてください。
当院のものは、AAHAアメリカ動物病院協会の2019年版ガイドラインを当院用にアレンジしたものです。ガイドラインの内容を載せておきます。
トピックス
- 2才までに犬の80%、猫の70%が歯周病にかかっている。
- 永久歯に生え変わる6か月齢頃からプラークや歯石の付着が始まる。
- ホームケアを行っていない場合、小型犬では9か月齢で歯周病が見られるケースがある。
- 1才の小型犬の90%に何らかの歯周疾患がある。
歯周病は進行していく病気で、重症化してからお家でのケアは難しく、動物病院で抜歯になってしまうケースが多いです。そのため最新のガイドラインでは予防歯科に重点が置かれています。
ここでいうホームケアは、
◆歯周ポケットをつくらないこと
◆歯垢を除去すること(プラークコントロール)
このために歯ブラシを使った歯みがきをすることです。ジェルやサプリは補助的な役目で、歯みがきの代わりにはなりません。それは、歯みがきガムでも同じです。
麻酔を考えるとなかなか受け入れにくい内容かもしれませんが、「歯周病を予防するにはこれぐらい必要です!」という指針というわけです。
一緒に歯周病を予防しましょう!
いかがでしょうか?
歯周病が進行してからの麻酔処置では抜歯が避けられないケースが多いです。残せる歯の方が少ないことも珍しくありません。また、そのようなケースでは手術時間も3~4時間かかる大手術になります。痛みの程度も大きいと考えられるので、鎮痛剤も組み合わせて使います。簡単に予防することが難しい病気ですが、予防のメリットはとても大きいと思っています。普段の外来でも、簡単な視診はさせていただいています。気になることがありましたら受診ください。
、、、というよりは、気になる前に、ホームケアや予防歯科処置の御相談に御気軽に受診ください!