歯科
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2才までに犬の80%が歯周病にかかると言われています。猫は難治性の慢性口内炎が問題になることがあります。人と同じように、歯周病が健康や寿命に影響することも明らかになってきています。当院では予防歯科にも力を入れています。
★2024年3月に比較歯科学研究会の第1回臨床歯科診断学技能認定コースを修了し、試験にも合格しました★
どれも心情としてとてもよくわかるのですが、残念ながら、歯周病のケアとしては正しくないんです。いい状態で歯を残すためには早くからそして継続してケアをすることが大切です。

2019年にAAHA(アメリカ獣医福祉協会)が発表している犬猫の歯周病ガイドラインがあります。そこでは述べられている歯周病のケアとしてのポイントは2つあります。
ひとつは、悪くなる前の予防を想定していること。2才で1回目の口腔内検査とスケーリングを行うよう推奨されています。
そして、もうひとつは、動物病院での定期ケアと同じようにホームケアを重要視していることです。お家での歯ブラシを使った歯みがきが推奨されています。
当院でも、このガイドラインを参考に、以下のようなことをお話ししています。
「そろそろですよね!」と言って定期的に処置を受けに来てくださる飼い主様が徐々に増えてきています。
歯周病を予防し、歯とお口の健康を守るためには、定期的なクリニックケアが推奨されています。事前診察で、飼い主様からのヒアリングとできる範囲での状態確認を行います。それをもとに麻酔下での治療計画をお伝えします。
麻酔下での治療では以下のことをやります。
正確には①、②、③は検査で、④、⑤が治療です。
検査の結果、抜歯が必要と判断することもあります。
①、②、③で一旦麻酔を終え、検査結果から、抜歯の有無や本数など、より具体的な治療計画を飼い主様にお伝えし、後日、④、⑤を実施することもあります。

「歯石やプラークを取って歯をきれいにする」というイメージでいうと、④スケーリングがそれにあたります。実際には、外からは見えない歯周ポケットの中まで処置を行います。
スケーリングは歯周病の予防、口臭の軽減など、歯と口の健康のために欠かせない処置です。
詳細はコラムをご覧ください!
処置終了後は、処置前後の写真、プロービング所見、レントゲン検査所見を飼い主様に御説明し、紙でお渡ししています。また、今後のケアのポイントについてもお話しています。
1か月後くらいには外来で再診に来ていただき、口腔内をチェックします。この時にホームケアの見直しをしたりもします。いい状態を維持できるようにPidiのケアを継続してくださる方もおられます。
おおざっぱにですが、何かしらのケアを継続できていると、1年半~2年くらいはいい状態が保てているように感じます。

ポイントだけを。ターゲットは歯周ポケットに潜むプラークです。歯周ポケットに毛先をいれるイメージを持ってください。歯周病になりやすいのは図の赤丸部分です。
まずはそこだけでもいい。そしてまずは外側だけでもいい。「あーん」は必要ありません。口は閉じて口角に歯ブラシを潜り込ませる感じ。


多くの製品がありますが、成分や商品の効果を比較検証するようなデータは出てきません。
客観的に根拠をもって「この商品がよい」と言うことは非常に難しいです。ひとつの根拠としてVOHC認定があります。認定商品で日本で販売されているものもあります。
もちろん、成分や認定は、重要な要素ですが、継続のためには他の要素も大切ですよね。与えやすさ、嗜好性、価格、飼い主さんが使いやすく、わんちゃんねこちゃんが受け入れてくれるものが理想的ですよね。
昨今、クチコミや使用感が強調された高価なサプリや、成分不明のトンデモサプリを見かけることも多いです。
サプリメントは元々あいまいです。補助的にうまく使えればいいかなぁと考えています。製品を選ぶ際は思い出してください。
硬いものを噛むと、歯石が割れてとれるかもしれません。同じように歯が割れる可能性もあります。硬いもの噛ませる理由やその効果(?)も謳われていますがリスクを上回るようなメリットはありません。そもそも歯周ポケット内のプラークコントロールができません。ちなみに歯はどうしたって筋肉みたいに大きくなったり太くなったりできません。
弾力があるガムを飼い主さんが手で持って、わんちゃんがグニグニ噛んで、歯面が掃除され、成分が唾液に混ざって口の中にいきわたるイメージです。そういう説明書きがある商品を選んでください。

Pidiは、犬の歯肉炎症軽減、口臭低減に使用出来る世界初のプラズマ治療器です。
2020年、管理医療機器(新医療機器区分)として農林水産省の認可を取得しました。
(メーカーホームページより)

歯肉炎患部に特殊なガスを吹き付けます。左右上下の歯肉に各1分ずつ(計4分)処置します。
開始時は、1週間に1回、計4回が推奨されています。その後は、歯肉の状態によって間隔を調整します。
飼い主さんには口臭低減が実感してもらいやすいです。
経過を見ていると、歯肉の赤み、腫れが引き、しまってくる印象があります。
詳しくは、コラムに書きました。半年運用時点での実際の使用感です。
★費用
・診察料 初診料1700円、再診料700円
・Pidi処置 2000円 (アニコム、アイペットは保険対象)
(回数券 11回分20000円)
※処置後はデンタルジェルを塗布して終了します。
★使用例
☆家での歯みがきなどのホームケアにプラスして、、、
☆スケーリング後の維持に、、、
☆全身麻酔でのケア以外の口腔ケアに、、、
◆風があたるのを嫌がる場合は処置が難しい・不可のことがあります。
◆ねこちゃんはかなり難しいです。
◆プラーク除去、歯石除去ではありません。
外来で気軽にできるのが、Pidiのメリットだと思います。
ぜひ、一度お試しください。
↓ メーカー提供動画 音声はありません
口の中の検査、歯のレントゲン撮影、歯周ポケットの評価、スケーリング、抜歯、いずれの処置にも全身麻酔が必要になります。
口腔内の検査と定期的なスケーリング程度であれば、麻酔導入-処置-麻酔覚醒の総麻酔時間は120分くらいのことが多いです。重度歯周病で多くの抜歯が必要になれば、麻酔時間は長くなります。そして痛みを伴ってきますので、痛みのケアはかかせません。
全身麻酔や抜歯への御不安はあるかと思います。麻酔方法や機械、麻酔薬自体はどんどん進歩しています。また獣医師や看護師は知識と技術を持っており、それもまた進歩させることができます。
麻酔無しでは、わんちゃんねこちゃんを怖がらせることになりませんか?
動いてしまう状態で抜歯をしたり歯肉を切ったりするような刃物を安全に使えるでしょうか?ヒトの口腔外科の待合室には「歯科が怖い方でも静脈麻酔で安心です。」というポスターが張ってあるのを見たことがあります。
「麻酔をかけるからこそできることがある」ということも知っておいてほしいです。
抜歯時などの痛みに対しては、局所麻酔、術後の持続点滴、注射薬、退院後の飲み薬を使って、最大限ケアします。もちろん、術中は余計な痛みを起こさないように丁寧な処置、必要最低限の処置を心がけます。
そして、当然ながら、不必要な抜歯は行いません。歯1本ずつに行うプロービング検査、レントゲン検査の所見はもちろん、ホームケアの可否、再処置の可否、そして飼い主様の考えも取り入れて、判断します。機能歯は他の歯よりも温存を優先します。「今回は温存で、ホームケアで維持できなければ抜歯」というような、二段階を想定した処置を実施することもあります。
「全身麻酔か無麻酔か」「抜歯か温存か」ではなく、歯周病予防のために必要なこと、わんちゃんねこちゃんの口の中の健康を守ること、そして、それを確実に安全に達成するための方法はなにか?と考えてもらえるといいかと思います。




口の中、歯って意外に見えにくいものです。各資料や模型を使ってお話しております。歯の根っこ(歯根)が見えるクリアモデルもあります。模型類はお子さんたちに大人気です(笑)

飼い主様への御説明には模型や歯垢歯石を発光させるライトなどを使って、状態を説明しております。


歯を検査したり、歯周ポケットを調べたりする器具です。こんなカラフルな器具もあります。カワイイ!

歯を切る、骨を削る、歯石を取る、水ですすぐなど各種機能をもった優れものです。歯医者さんにあるものと機能は変わりません。 カッコイイです☆



歯の半分以上は骨の中に隠れています。歯周病は歯の周りの病気なので、歯根でも起こります。そこを見るにはレントゲンがかかせません。